わたし、たらふくの会社にも、さいわい退職金制度がありました。なので60歳定年になった今、めでたく退職金を貰えることになっております。でも、そのもらい方がそう単純ではなく、考えれば考えるほど、悩んでしまうというお話です。
退職金をどう配置するか?
定年が近づいて、退職金についていろいろ考えているうちに思い至ったのは、退職金はどうやら、老後という意外に長い人生のマラソンに必要な補給物資なのではないだろか? という考えです。
老後というマラソンのスタート地点で、腹いっぱい補給するのがいいのか、それとも途中の給水場でしっかり飲み食べるのか、あるいは走りながらちびちびと補給するのがいいのか。
もらい方も税金で目減りしてしまうもらい方もあれば、あまり目減りしないもらい方もある。
では、どうもらえばいいのか? ずいぶんと頭を悩ませました。……というか、今も、悩んでいます。
なんでこんなにも種類があるんだ退職金
うちの会社、退職金が4種類もあります。
まず、いわゆる普通の退職金と企業型確定拠出年金、これを第一退職金、第二退職金と呼んでいます。
このほかに年金が2種類あり、それぞれ終身型の第1年金とそうではない第2年金と呼んでいます。
この4種類の退職金、それぞれ一時金でもらうもらい方と年金でのもらい方あります。
もらう時期も60歳からもらうのと、65歳からもらう場合や、あるいはもっと後でもらうやり方もあります。
4種類の退職金 × 2種類のもらい方 × それぞれの時期 = 少なくとも十何種類のもらい方があることがわかります。
重要なのは、老後というマラソンにおいて最後まで走りきれること。そして、そのために補給をバランスよく頂戴すること。
その最適解を十何種類のパターンから選択するという問題に直面したのが、わたし、たらふくということになります。
税金についても考えた
一時金でもらうと、退職所得という所得になります。
退職所得にはふつうの所得と違って、特典があります。
せっかくの退職金をあまり税金として差っ引かれないように、大きな控除額が設定されるというのです。
この控除額の範囲内ならば、税金はかかりません。なので、基本的にはなるべくこの特典を活用すること、つまりなるべく多くの額を一時金でもらうのが基本戦略ということになります。
でも終身年金(うちの会社の第1年金)は生きてる限りもらえるので、なるべく早く60歳からもらい続けるのが得だと考えました。
なので、この終身年金以外(第一退職金、第二退職金、そして第2年金)は、すべて一時金でもらってしまおう。
「いいよね」「うん!」
けなげに夫婦でそう決断しました。いったんは……。
退職所得の控除額は、就業年数との兼ね合いになります。
一時金を合計して、公式にあてはめて計算してみると、少し控除額からはみ出るということがわかりました。
またそのとき、はみ出た額にかかる税金がちょっともったいない額でした。
ぐらつきます。
カミさんともども、夫婦でぐらつきました。
結局、第2年金は一時金ではなく、年金でもらおうということで手続きをしました。
iDeCoって何? NISAって何? あたらしい歌手?
一時金をもらったら家のローンを返済します。
残った分は銀行に寝かせます。それがもったいないなあ、と思いはじめました。
金利の非常に低い定期かなにかで寝かすのであれば、安全な投資に回してはどうだろうか? そう思ったのです。どうせ運用するならば……まてよ……。
手数料や税金の分でお得といわれるNISAを使ってみようか、と思うようになりました。
投資とか、まったく興味がなかったのに……。
どうやら積立NISAは毎年40万円。ふつうのNISAは毎年120万円。
もう少し枠が欲しい……。
この流れでiDeCoに目をつけました。
銀行で調べ、会社でもいろいろ聞いてみると、第二退職金の確定拠出年金をiDeCoに移せる可能性があるということです。
これを活用して、手数料や税金の面でお得に運用しつつ、将来に備えて寝かせるのはどうだろうか、この方向で今は考えています。
まだまだ苦行は続く……
iDeCoに移すにしても、どこのiDeCoに移すのかそこらあたりから考えなければいけません。
定年になったばかりですから、考える時間はあります。
決断を先送りにしておこうとは思いませんが、ここ2週間ばかり、退職金や定年にまつわる事務処理で、ちょっと異常なくらいいろんなことを考えた後で頭が少しつかれています。
ここは腰を据えてiDeCoを勉強して確定拠出年金の移動先を確定させよう…ぼんやりとそう思っておりますっ!